誰かが綱吉は俺に依存しすぎていると言った。何度か家庭教師をはずされそうにもなったが、結局俺と彼奴はいまでも傍にいる。

「おい…ツナ?」
目覚めの悪い朝だ。自分から目が覚めて彼奴の名を呼ぶも返事はない。替わりに外の小鳥 がさえずりで返事を返す。朝が弱い俺を起こしに来るのは彼奴の仕事だった。戸が開くもののいつもと違う気配に眉を顰める。
「綱吉ならいないよ。六道骸と獄寺隼人に連れられて連合の会議だ。」

「お前は何の用 だ。」雲雀は鼻で笑い綱吉に朝の弱い赤ん坊を頼まれたのだと言った。
「まぁ君も僕も不本意だろうけど。」
あたり前である。俺を起こしていいのは綱吉だけであり、他の奴の指図など受けるつもり
もない。
「彼奴は何時に戻るんだ。」
「さあね、なんせ六道と獄寺が一緒だし…早く終わっても当分は戻ってこないんじゃない?」


一言一言が勘に触る。雲雀のせいではない。彼奴が此処にいないせいだ。
「赤ん坊には綱吉の替わりの書類があるから。終わらなかったら帰って来てから綱吉がやることになるよ。」
テーブルに置かれた大量の書類。

「それじゃあ僕は他の片づけがあるから。」

「雲雀。」
「何?」
「俺はもう赤ん坊でも何でもないぞ。」
雲雀は表情一つ変えず振り向く。
「知ってるよ、綱吉のお目付役。昔は君のこと嫌いじゃなかったけれども今は2番目に邪魔な存在だ。」
鼻で笑う。(一番目は六道骸だろう)

俺も雲雀も、まだまだ子供だ。(たった一人の為どこまでも踊らされる。)
戸が閉まり一人でいる部屋はどこか何か足りなくて、書類などいつもなら1時間やそこらで終わるものの今日は手が進まない。早く戻って来ないか、時計と携帯ばかりに目がいく。そんな自分が馬鹿らしく嘲笑。
電話が声をあげた。
『もしもし?』
「…何の用だ?」
『おはよう、ちゃんと起きてた?』
電話越しにクツクツと笑いながらおどける綱吉の姿がよぎる。

「何時だと思ってやがる。」
『ああ、もう1時過ぎたね。お昼食べた?』
「まだ。」
ちゃんと3食食べないと健康に悪いなど言うようになったもんだ。

『なんかお土産のリクエストは?』
「早く帰ってきて俺のためにカルボナーラでも作りやがれ。」


笑い声が聞こえる。遠くから不満そうな獄寺と骸の声が聞こえた
(きっと気のせいではないだろう。)

『それじゃあ我が儘家庭教師のために飛ばして帰宅するよ。』「誰が何だって?」
『それじゃあお湯沸かして待っててね。』誤魔化しと笑いを含んだ声。小さく囁く。
「Ti amo」
『えっ?小さくて聞こえなかった、何?』

思わず口元に笑みがこぼれる。

「早くしねえとてめぇの机は書類山になってるぞ。」
『ちょ!少しくらいやってくれたっていいじゃん!』
「じゃあな」
『ちょ、リボ…!!』

自分から切った電話。


「腹減ったな…。」
後30分は戻ってこない彼奴の為に書類を片づけ、したら湯でも沸かそうと思う。
(午後は何も言わず出掛けた罰にこってり絞ってやる。)

「依存してるのはどっちだよ。」

そして静かに笑う。