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「リボ………」 俺には彼奴に縋るしかなかった。俺にしか見えない彼奴を。 あの日は…晴れているというのに小さな雲から大きな雨粒が…雨音が響く。ジャポネーではこのような天気を『狐の嫁入り』と言うそうだがイタリアでそれにあたる言葉はない。 「やれ…嫌な天気だ。」 「全く。困った幼馴染だ。」 笑いながら軽く髪をかきあげた。
「その近くの通り…多分2本目に数人逃がした。そっちで処理しろ。」 「おめぇに少しおすそ分けしてやるだけだ。切るぞ。」 「ちょ、ってかなんで俺がベィレイナ邸行くって知ってんだよ!!」
しかし外に出れば生憎の雨。女は仕事など放っておけばいいと言う。(上司のくせに。彼奴とは確かに繋がりはないけれど。)きつい香水の匂いが鼻を刺す。残念ながらと苦笑しながら女の元を離れ、通りへと急ぐ。しばらくその通りを歩くと不審な男が一人。 「…貴方はボンゴレの敵ですか?」 「彼奴の頼まれ事は絶対なんで。」 雷が鳴る。銃声もまた一つ。名も素性も知らない男が命を落としていった。しかしそれが僕らが生きる世界なのだ。 「やれ…数人と聞いたはずだが…。」 周りに同類の姿はない。倒れた男の胸元を探る。ライターに書かれたあるファミリーの名前。少しだけ…嫌な予感がした。リボーンへと電話をかけるも繋がる気配を見せない。
声をあげたって彼奴が近くに居るかなど知りはしないのに。気持ちは焦るばかり。相手は、仲間意識はそう堅くないものの標的を殺すためなら何でもする。そんなファミリーだった。一人が囮となり他のメンバーは仲間を呼びに行くと共に敵の動向を探る。だとすれば周りに似た姿がないことも頷ける。しかしそうだとすれば……。
「使えねえアホ牛が。余計な仕事増やしやがって。」 嗚呼。そうだ。リボーンがやられるわけがないではないか。安堵と苦笑。
「最近、ボンゴレの座を、綱吉を狙う奴が増えてきたからな。」 ふと顔がもとに戻る。ツナの為なら殺戮さえ否まない。きっとツナはそんなこと望みはしないけど。 心配した自分が馬鹿らしい。
「ツナによろしく。俺は明日からロシアだ。」 ヒラヒラと手を振る。いつでもツナの横にいるリボーンが羨ましかった。しかしそれこそがツナの居場所でありリボーンの居場所のように感じていた。それできっと丁度良いのだ。背中を向ける。 誰がそれから襲う悲劇を予想出来ようか。
「リボ……」 その場から逃げ出したかった。夢だと信じ早く朝がくることを祈った。彼は背中から数発の弾を打ち抜かれていた。赤が地面に絵を描いていた。多分撃たれてからも彼は歩き続けていたのだ。(たった一人愛しい人に会うために。)血をたどれば一番はじもに彼が居た場所がわかる。その先に一体の屍。 あのファミリーのものであった。 リボ―ンの顔は皮肉にも穏やかで手に握りしめられた電話の先は…。 「リボ――――ン!!!!!!!!!」 声はただ…木霊して消えた。ボンゴレ本部に連絡をし、花を一本…彼に添えて俺は逃げ出した。怖かったのだ、アイツが死んだという事実を認めることが。もしかしたら一緒にいたら防げたかもしれない。否、俺がちゃんと全滅したか確認していたら…。ただ後悔はいくらしたとしても意味はなく、そのまま逃げるよう次に予定していたロシアへと向かった。葬式に…、皆に、綱吉に合わせる顔がなかった。ただ陰から見たツナは…抜け殻のようだったと今でも覚えている。 それにあの日…、沢田綱吉をみた時、言ってはいけないと確信したのだ。 「お久しぶりぶりです、ツナ。」 「…ランボ…。」
自分のせいでリボ―ンが死んだなど言えるわけがなかった。 そして、俺は――――な結末を迎えることとなる。
「……」 『身体、貸しやがれ。』 「…頼む、あの人を…ツナを救ってくれ。」
『おい、アホ牛』 『俺は俺のため、ツナのためにしか生きてない。てめぇのせいとか思っていること自体がおこがましいんだよ。』 「なっ…!」
「なあ、リボ―ン。」 「俺に…綱吉を救う力があるだろうか。」
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