突然坊主に呼びだされ 何もわからぬまま部屋へと入る。坊主は、少し哀れむような呆れたような目をして、こちらに気づくと静かにため息をついた。

「お前は此処にいるべきではない。」
「・・突然どうしたんだ坊主?」
「お前はツナの重荷になる。」
「ツナの・・?」
「そうじゃなければ、全てわかってことを伝えたらどうだ? お前の命を背負って生きるほどツナは強くないんだ。」
何がいいたいのかわからず、少しだけ困惑する。坊主はもう一度ため息をついて、こちらをキツく睨む。(最近本当に色んな奴に睨まれるな。)それはとても 鋭い瞳で一瞬怯みたくなるような、ツナに向ける視線とは違うとても冷たいものであった。だからと言ってそこで怯む訳にはかない。しばらくお互いに無言の まま睨み合う。(といっても俺は睨んでいるつもりはないが)

「お前は・・いつまで、之(これ)をごっこだと誤摩化すつもりつもりだと言っているんだ。」
何故、そんなにも哀れんだ瞳を向けられるのか俺には理解できなかった。
「ツナはこれから、何千という命を背負わなければならない。」
「ボンゴレ・・10代目 か。」
「お前や獄寺は、ツナを支えるためにいるんだ。」
「じゃあ なんで此処にいるべきじゃない て・・・。」

「ごっことか抜かしてる奴は ボンゴレにはいらない。ツナの邪魔だ。」
「・・ツナが何か言っていたのか?」
「俺の独断だ。」
「なら・・!」

「ツナの傍に居たいなら、守りたいと想うのならば 知っていることくらい伝えろ。」
「それはできねぇ 約束だ。」
「なんでお前は 知らぬ振りを突き通す?」
「ツナがそれを望んでいるから。」

「そんなこと彼奴は望んじゃいない。」
「そうかもしれない。もしかしたら俺の勝手な思い違いかもしれないけれども、ツナがマフィアの全てを背負うなんて重すぎるんだよ。」
「なら、彼奴を止めるのか?」
「いや そんなこと俺ができるわけがない。」

「・・ お前は 何がしたいんだ?」
「ただ、彼奴が笑えるように傍に居たいだけだ。」
「それが、一緒になって彼奴を苦しめるとしても か?」
「一人くらい、そういう奴がいても いいんじゃねえの?」

坊主が、また 深いため息をついた。


「リボーン。」


ドアが開く。
「・・と、山本。ごめん 取り込み中だった?」
「いや、坊主と世間話してただけだ。っと 俺こそお邪魔か?」
「大丈夫。」
そういうと、ツナは坊主のもとへと歩み、何かを喋り始める。俺には聞こえない。坊主は少し眉を顰めながらも、「ツナ、お前は今のうちに休んでおけ。」そ ういってドアを開け、部屋を後にした。(やはり最後に睨まれたが、ひらひらと手を振った。)


「なんかあったのか?」
そう訪ねると、少し困ったように、
「ちょっと、治安に問題があって ね。」
と笑った。誤摩化すような笑い方。多分、俺がまだわかってないと想っているからであろう。それが獄寺だったら?お前は相談していたのか?

「ボスも大変だな!あんま肩張ると 疲れんぞ。」
軽くツナの肩に手をおく。

「うわっ、めちゃくちゃ肩こってるんじゃねれか。」
「最近、書類ばっか追われてたから。」
ははは、と乾いた笑い。中学のときから文だらけの枠組みなんて嫌いだったはずなのに、一人どんどんとツナは進んでいた。

「ツナは変わったな。」
肩をもみほぐしながら、静かに言葉をこぼす。聞こえるか、聞こえないか程度の独り言だ。

「ん?何?」
「いや、なんでもない。」

「山本はさ・・ 変わらないね。」
「なんだそれ、俺が成長してないって言いたいのか?」
笑いながら、少しだけ肩をもむ手に力を入れると、ギブギブ!!と、笑いながら抵抗する声が聞こえる。

「そ・そうじゃなくて!!」
「山本は、純粋で 綺麗のまんまだって 言いたかったんだよ。」
そういったとき、お前はどんな顔をしていた? 俺からはお前の背中しか見えなくてわからなかったけれども・・・本当に笑っていたのか?それとも・・・


「ツナが想ってるほど俺は綺麗じゃねぇよ?」


小さく零した言葉は届かないままでいい。
「え? 何??」
「なんでもない。ツナのほうがずっと綺麗だよ。」

くしゃりと、ツナの頭を撫でてくすぐったそうな声が聞こえて、静かに笑う。お前は青空のように誰にでも染まりそうだけど、決して染まることなく憎たらしいくらいの純粋さで全てを覆うのだろう。だから、その青さが誰かに穢されないように

「なぁ、ツナ。」

「ん?」

永遠に、お前を守ることを誓うから・・・
「これからも、ずっと傍に居ていいか?」
「なんだ、それ。」

無垢な笑顔で、それが例えば少しの偽りだとしても・・・


「当たり前だろ。」


眩しくて思わず目を細める。好きだとかそんなありきたりな感情じゃ足りなくて、ああそうだ・・・


「なぁ 愛してる 綱吉。」

頬にキスをおくり呆然としてるツナに俺は・・・・・

END


(エゴイズムそれでも俺はきっと何も言わない)